往年の英国名車をBMWが再生させた現代の名車。すでに”BMW MINI”ではなく単独ブランドの”MINI”として見事な存在感を放っている。
デビュー以来の長期間フルモデルチェンジをしていないにもかかわらず、実に輸入車販売ランキングの堂々たる一位なのである。( ゚д゚ )
しかし、もちろん製造メーカーがBMW社である事に変わりはない。
今回の試乗車は例によって愛車の点検時の代車なので、細かい注文はつけられず、5ドア車が提供されてしまった。(;`ー´)
自分としては、”ミニ”は3ドア以外に考えられないのだが、以前の”クラブマン”と比較すればコンパクトなイメージは保たれている。
外観デザインはほとんど変わっていないが、内装についてはデビュー時からかなり改良されている。
速度計と回転計はフツーの位置に移設され、特徴的なダッシュボード真ん中のサークルはようやくナビゲーション画面となった。
ただし、この変形デザインのせいでモニタ画面のサイズが小さいし、地図そのものも見やすさはイマイチ。( ´ー`)
カッコがすべてに優先する”ミニ”。どこから見てもスキのない素晴らしいデザインである。
そして、走ってみて驚嘆した。以前に体験した”クラブマン”とはまったくの別物、別のクルマになっている。
とにかくエンジンがスゴイ。停車時や低速時はごくごく静かでスムーズ。アイドリングストップからのスタートも、注意していないと分からないくらいに自然な挙動だし、アクセルをちょいと踏み込むと間髪入れず素晴らしいレスポンスで意のままに加速する。
“打てば響くレスポンス”を通り越して、豪快 でさえある。「す、すごい !! これが今の”ミニ”の実力なのか !?」( ゚д゚ )
予備知識なしで乗っていたので、スペックなど気にしていなかった。「”116i”くらいの性能だろうな」と思っていたが、予想外の高性能ぶりにさすがに「いや、ちょっと待てよ。こりゃ凄すぎるではないか ?」とバッジを見てみたら、”COOPER S“だった。
“ミニ”はずっと好みのクルマだったのだが、色んな意味で購入対象にはならなかったため、モデル毎の仕様については無知に近い状態。
メーター右側の多数のLEDは燃料の残量表示となっている。遊び心ですな。( ´ー`)
5ドアであっても、路面に張り付いてミズスマシのように思いのままにコーナリング出来る性能は変わらない。
そして、スピードメーターは”3シリーズ”と同様に260kmまで表示されている。このクルマの性能なら不思議ではないと納得。
後で調べてみたら、”COOPER S”のエンジンは 2リッター192PS/280Nm で何と、0-100km加速が6.7秒で最高速度233kmとなっていた。いや、そりゃあ速いわ。前の愛車の”320i”より一ランク上の性能やがな。別にこんなのを体験したくはなかったのだが・・・
自分としては“118i”の性能で満足であり何の不足も感じないし、おそらく標準モデルの”ミニ・ワン”はそんなものだろう。
当然”COOPER S”の高性能の対価としてちゃんと標準モデルの256万円から372万円と120万円アップのお値段が付いている。
※ナビの有無等の装備の差はある
いや、いかに”ミニ”が魅力的であっても256万円だとしてもやはり購入対象にはならない。現代の基準では安全対策・運転支援システムがあまりに貧弱なのだ。現時点で装備されていないというのは次のモデルチェンジまで待てという事になる。
猛烈に進化しつつある運転支援システムはまだまだ進化の途中。自分としては、どれほど運転の楽しさがあるとしても旧態依然の古いシステムしか持たない”ミニ”が次の愛車としての選択肢にはなり得ないのだ。
とはいえ、100万円以内で程度の良い中古車があれば・・・とは心の中のどこかにある。( ´ー`)