ACC / アクティブ・クルーズ・コントロール その2

“BMW 320i” の “ACC / アクティブ・クルーズ・コントロール”についてのレポート。
“ACC”は、自動運転に一歩近づいた素晴らしい先進的な機能なのだが、大きな問題点も存在する。
特に重要なポイントについてまとめると。

  1. .前車追随後に停車しても、その後の自動再発進機能が有効なのは三秒間だけ
  2. .ACC作動中の単独走行、すなわちクルーズコントロール中に、信号待ち等で停車中の前車に接近しても、車速設定によっては車間確保どころか、加速して激突しそうになる
  3. .ACCとセットになっている”前車接近警告機能(衝突被害軽減ブレーキ付)”は、その名の通り、軽減のサポートと警告に過ぎず停止はしない

という、”トンデモ仕様”である。つまり「ぶつからないクルマ」ではなく、”運転支援システム”に過ぎないので”油断は禁物”と前回書いたのはそれを指している。とはいえ、どれほど自動運転システムが進化しようと”油断しても大丈夫”すなわち”居眠り運転OK”なんてクルマはおそらく自分が生きているウチは実現する事はないだろうが。(;`ー´)
それにしても、2.と3.はイタイ。停車中のクルマばかりではなく、建物やカベなどへの接近でも同様である。つまり衝突防止にはほとんど役に立たないのが残念。
これほど便利な機能なのに、走行中は少しも運転の緊張感から解放されるわけではないのだ。( ≧Д≦)
メーカーとしては、安楽な運転の支援はするが安易な運転は許さない、というポリシーのようだ。
こんな風に書くと「何だ。それでは値打ちがないではないか」との印象になるがそうではない。その特性を理解して利用すれば、安全に大きく寄与してくれるシステムなのである。

ACC作動中は両足がアクセルとブレーキペダルから解放されるというメリットが何より大きい。自分のクルマが自動的に車間を維持してくれるのは、想像以上に安楽なのである。
とはいえ、現代ではほとんどのクルマはAT車なので、左足ブレーキを使うドライバー以外は元々左足はフリー。
「更に右足も解放される」という表現のほうが正しいかな。
ただし、肉体的に右足がラクになるというハナシではない。アクセルペダルを踏んだりゆるめたりという動作は、何気なく行っているが、良く考えてみると実際には非常にデリケートな行為であり、そのペダル操作はストレスの元凶でもあり、危険と隣り合わせなのである。
ノロノロ運転しかしない運転者には関係のないハナシなので以下は読んでもらわなくて良いです。(;`ー´)
誤解を恐れず云ってしまえば、フツーのドライバーは老若男女に関係なく本能的にアクセルペダルを踏み込みたい(高速走行への誘惑)ものなのだ。そこが例え交通量の多い一般道でも。
そして、遅い前車に追いついてしまった瞬間(実際はその直前)からイライラが発生する。見通しが良くて道幅に余裕のある道路で、前車に制限速度以下で延々と走行されると頭に血が上らない方が不自然である。
しかも、今や一般道のほとんどが「追い越し禁止」のイエローライン状態。( ´Д`)
お上は○○の一つ覚えのように「速度を出すな」と警告するが、フツーのドライバーにとってはノロノロ運転こそが、ストレスが増幅されて危険なのである。危険度の高い道路を除けば、そもそも制限速度というものが、殆どの場合最も走行能力の低いクルマを基準にしているため、フツーのクルマがそれに合わせる事自体が難しいのだ。
ACCならば、かなりそのストレスが軽減される。その理由は「アクセルペダルに足を乗せていない」からである。
人は、ペダルに足を乗せているから踏み込みたくなるのであって、例えば右足を床に置いたままならば、スピードへの誘惑はかなり軽減されるため、無用なストレスが発生しにくい、すなわち安全性が大きく向上するというわけ。( ´ー`)
「両足フリー」で最高の恩恵を感じるのが、高速道路よりも、むしろ渋滞時のノロノロ走行と停車の繰り返しのような場合。これについては、くどくどと説明の必要もないだろう。
高速道路巡航で安全安楽なのは無論だが、一般道でこそその真価を享受出来ると度々書いているのはこのため。

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